例えば、利益が出ているのに手元に現金がない。経営は上手くいっているが、スタッフのの出入りが多い。毎年、医院の納税を自らが病医院に貸すような形でクリアしている。個人の税金が莫大で、納得できない。不測の費用に翻弄されることが多々ある。等々。
これらの原因は必ずあるにも関わらず、なかなか関心が向かないのは個人の生活における「体に良くないのは分かっているが、止められない。」「やろうと思うが忙しくて出来ない。」「だがそう急ぐこともないだろう。」というのとなんら変わりがありません。
分かりやすく、専門用語を多用せず、説明できるプロと出会う。先生方が普段意識して患者さんにしていることをしてくれる専門家と出会うまでセカンドオピニオン的な人を紹介依頼したり、もしくは探してみることも経営改善の意外な近道かもしれませんね。
藤田 その役割は鈴木さんではないのですか?(笑)
鈴木 ありがとうございます。日々そうなれるように努力しておりますが、未だに未熟な部分を感じます。(笑)北海道医師協同組合さんとの連携で、少しでも役に立てればうれしく思います。
藤田 今までのコンサルティング業務の経験で、印象的だったエピソードをお聞かせ願えますか?
鈴木 そうですね、やはり相続の問題でしょうか。こんな経験がありました。ご長男が跡継ぎでドクターになられ、次男の方が大学を中退し所謂フリーターで、大先生はその観点から遺言で賃貸マンションを次男に譲りたいという公正証書遺言をされたらしく、「安心だ」とおっしゃっていました。その後、万一の事態となり、賃貸マンションを次男に相続させるという話にまだ支払の途中だった融資先の銀行がノーと言ってきたのです。
理由は働いていないから。という理由でした。おそらく大先生は「ローンの収支で、生活費に十分な利益(差額)はあるので、それで生活の糧に出来る」とお考えだったのでしょう。最終的には後を継いだ若先生が連帯保証人になることで決着しましたが、これからが心配なことは明白です。
残念ながら、先にお付き合いのあった専門家に頼んであるし、公正証書遺言だから大丈夫という言葉を聞いて私もそれ以上確認するすべがなかったことです。ちなみに法的に問題がなければ、公証人役場ではアドバイスはしません。
藤田 そんなことがありましたか。今の話は個人的な部分ですよね。経営とはどのように関わるのでしょう?
鈴木 はい、平成19年度までに法人化された先生は「持分有りの医療法人」ですから配当が出来ないうえに、健全な黒字経営であれば剰余金が積み立てられ、設立時にたとえば800万円で始めた医療法人の帳簿上の時価価値が数十倍。その価値が個人の財産価値と見なされ相続時に計算される為に、意外な相続財産になってしまうという事です。しかも、帳簿上の剰余金はほとんどの法人で現金として残っておらず何処にそんな価値が?という事態になります。しかも病医院というのは医師である跡継ぎ以外には何の価値もないものです。このように、先に申し上げたように一般法人以上にオーナー経営者個人と医療法人は一心同体なのです。従って、個人の思いを将来ブレの無いように果たすためにはそれなりの総合的、且つ、オーダーメイドの対策とその後の「管理」が重要なのです。
藤田 なるほど、今後はそのあたりの問題点について詳細な部分を実例を踏まえてお話いただけると助かります。今日はありがとうございました。
鈴木 こちらこそありがとうございます。次回はどの病医院も少なからず抱えている「人の問題」についてお話したいと思います。宜しくお願いいたします。








